以前、ワクチン接種済みであれば隔離なく入国できる国が増加していることを記事にしました。
モルディブでは現在、有効な陰性証明書を持参すれば、すべての国から隔離なく入国が可能になっています。
これが今後、ワクチン接種済みであれば陰性証明書さえ必要なく入国が可能になります。
ワクチン接種者の入国条件は?
以下の条件に合致するワクチン接種者は、入国時の陰性証明書が免除されます。
1.有効なワクチンを2回とも接種済みで、2回目の接種から2週間以上経過している観光客。
2.同様に2回とも接種済みで、2回目の接種から2週間以上経過しているビザ保有者。ただし、以下の場所で働くことを目的に入国するものを除く。
・保健医療施設
・デイケアセンター
・学校
・居住介護サービス
いつから入国できる?
この制度が有効になるのは2021年4月20日からとなっています。
制度変更の背景は?
もともと外国人観光客の入国が比較的容易なモルディブですが、さらに緩和させる背景には、モルディブでのワクチン接種が進んでいることが挙げられます。
現在、モルディブ住民の約53%が1回目のワクチン接種を終えており、観光業の第一線に従事する住民の約90%が1回目のワクチン接種を終えています。
モルディブはインド、中国、そしてWHOからワクチンの寄付を受けており、さらにシンガポールにも追加注文しています。今後も順調にワクチン接種が進むという予想から、今回の入国緩和を行ったと考えられます。
観光客にワクチン提供を予定!?
今後モルディブ住民のワクチン接種が進み、ある程度終了した後にはなりますが…。
モルディブは観光客にワクチン接種を提供する予定であるとのことです。
モルディブ観光大臣は、「国の大きな打撃を受けた観光業を復活させることを目的とした3つのイニシアチブの一環として、観光客の到着時に予防接種を提供することになっている。」と話しています。
モルディブは今年すでに約35万人の観光客を受け入れており、その多くが長期滞在。ワーケーションの場として利用されることがトレンドとなっているようです。
モルディブ政府は、その長期滞在中に2回のワクチン接種が提供できることを売りにして「visit(訪問)、vaccinate(ワクチン)、 vacation(休暇)」の3V戦略としたい考えです。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大により、入国条件が厳しくなる国もある一方で、モルディブは昨年7月から隔離なく入国できる対応を続けています。モルディブは観光業に依存しており、GDPの約67%は観光業に関連しているそうなので、外国人観光客の入国を厳しくすると経済が成り立たないという実情があるのでしょう。
ワクチン接種を提供するという戦略は、長期滞在できる余裕があって自国でワクチン接種が難しい人には良いと思いますが、そもそもそれほどお金に余裕のある人は自国で自費でワクチン接種できてしまうのでは、という印象もありますね(笑)。現在モルディブでワーケーションをしている長期滞在者は裕福な経営幹部や会社役員がほとんどという話ですので…。この戦略が上手く機能するか、観光客に受け入れられるかは分かりません。
モルディブではワクチン接種は進んでいますが、感染者数が減っているわけではありません。ローカルでクラスターが発生しているケースもあるようですし、首都マーレ周辺では5人以上の集会禁止や他の島への移動制限なども実施されています。
日本の感染状況も落ち着くまで時間がかかりそうですし、モルディブの入国条件が緩和されても、日本から旅行目的で行くにはまだまだ難しそうだなと感じます。