世界で新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ワクチン接種済みであることを条件に国境を再開する動きが進んでいます。
例えば、タイ国政府観光庁(TAT)は、ワクチン接種済みの外国人旅行者を2021年7月1日からプーケットで、そして第4四半期(10月~12月)からはクラビ、パンガー、サムイ島、パタヤ、チェンマイでも隔離検疫なしで受け入れる予定であると発表しました。
またEUではワクチン接種を証明する「デジタル・グリーン・パス」、いわゆる「ヘルス・パスポート」の導入に向けた計画を発表しています。このデジタル・グリーン・パスが成立すれば、保有者はEU内での自由な移動が可能になります。
ワクチン接種済みの旅行者を受け入れる国
ワクチン接種済みの旅行者を隔離なしで受け入れることを決定した国、もしくは検討している主な国の一覧です。
個人的に収集している情報ですので、誤り等がありましたら教えていただければ幸いです。
・タイ
タイは現在、ワクチン接種済みでCOVID-19陰性と判定されれば隔離は7日間に短縮されています。7月からはプーケットで、そして第4四半期(10月~12月)からはクラビ、パンガー、サムイ島、パタヤ、チェンマイでも隔離検疫なしで受け入れる予定です。
ワクチン接種のほか、出発72時間前までに発行されたPCR検査の陰性証明、大使館が発行する入国証明書、有効なビザあるいは再入国許可、健康保険の加入が必要となり、到着後には、PCR検査を受けタイ政府指定の追跡アプリをダウンロードすることも求められます。
・ベリーズ
ベリーズは、到着の少なくとも2週間前にワクチン接種を完了した旅行者の入国を許可しています。すべての旅行者はベリーズの健康アプリをダウンロードする必要があります。
・キプロス
キプロスは、3月1日からワクチン接種を完了した旅行者が隔離なく入国を可能にする計画を発表していましたが、まだ施行されていないようです。施行された場合は、キプロス政府の指定する「安全な国リスト」からの旅行者に限られる可能性も高いです。
エストニアでは、COVID-19から回復した旅行者、または過去6ヶ月間にワクチン接種を完了した旅行者は隔離なく入国が可能です。ワクチン接種完了の証明書はエストニア語、ロシア語、英語のいずれかで作成されている必要があります。COVID-19から回復した旅行者は、医師の証明書と、ウイルスに感染しなくなったことを示す最近のPCR陰性証明書を提出する必要があります。
・グルジア
2021年2月以降、グルジアはワクチン接種を完了した旅行者の入国を許可しました。
・ギリシャ
ギリシャは2021年5月14日よりワクチン接種を受けたすべての人がギリシャに旅行することができると発表しています。
ワクチン接種証明書を提示できる場合、入国が許可されます。これには、シェンゲン以外の国(英国、米国、カナダ、アジア等)からの旅行者も同様です。しかし、特定のワクチン製剤に限られるため、許可されたワクチンのリストを確認する必要があります。
・レバノン
レバノンは1月以降、ワクチン接種完了済みで96時間以内に行われたPCR検査の結果が陰性であれば隔離なしでの入国が許可されます。
モーリシャスではワクチン接種を受けた旅行者がまもなく隔離なしで入国することを許可されると発表しています。しかし現在のところ、開始日は決定されていません。
昨年12月、ポーランドは、ワクチン接種を完了したEU諸国からの旅行者は隔離を免除すると発表しました。
ルーマニアは、最終投与から少なくとも10日が経過した場合、許可された目的地からのワクチン接種を受けた旅行者の入国を許可しています。
旅行の72時間以内に行われたPCR検査の陰性証明書と予防接種を完了した証明書を提示することで隔離が不要になります。
まとめ
モルディブやハワイは、既に有効な陰性証明書を持参することによって隔離なく旅行が可能ですが、世界ではワクチン接種により隔離なく入国できるという動きが加速しています。
今後日本でもワクチンの接種が進むことにより、隔離なしで入国できる国が増えることになるでしょう。しかし、ワクチンを接種しても新型コロナウイルスに罹らないわけではないこと、ウイルスを他の人に広める可能性もあることを考慮すると日本で同様の動きがあるかというと、なかなか難しいかなと感じます。
現在も日本帰国時には14日間の隔離等厳しい制限がありますから、ここが緩和されない限り、海外旅行ができるようになるまではもう少しかかりそうですね。