オランダに本拠を置くドックランズは14日、モルディブ政府と協力してモルディブ・フローティング・シティ(MFC)を開発すると発表しました。
この発表式典はモルディブ観光省ビルで行われ、モハメド・ナシード前大統領により開始。観光相、オランダドックランズ最高経営責任者、プロジェクトコンサルタント、モルディブ国会議員等が参加しています。
現在、計画は最終段階となっており、2022年に建設開始となる予定です。
MFCはどこにできる?
MFCが開発される場所は北マーレ環礁。アーラ島の隣にあるラグーンに建設される予定です。首都マーレからボートで10分ほどとアクセスも良い立地です。
MFCの開発背景
MFCを開発する狙いは、やはり首都マーレの世界一とも言われる人口密度を緩和することと、地球温暖化による海面上昇に対応することが考えられます。
マーレの人口密度を緩和するため、モルディブ政府は周辺のラグーンを埋め立て人工島を建設してきました。しかし、周辺のサンゴ礁等への影響が大きく、ラグーンを埋め立てるにも限度があります。また、モルディブのほとんどの土地は海抜1m以下で、地球温暖化による海面上昇が進めば多くの土地は水没してしまいます。
MFCは埋め立てを必要としない分環境への負荷は小さく、気候変動や海面上昇の影響を軽減できることから、サスティナビリティ(持続可能性)と住みやすさの両面を兼ね備えた都市となるとしています。
MFCはどんな都市になる?
発表によると、MFCのラグーンエリアには5,000のフローティングホームを建設し、モスク、学校、その他の必要な施設も建設されます。また、2つのリゾートとヨットマリーナも作られる予定で、MFCの居住者が地域や周辺のリゾートホテル・マーレ国際空港等で働くことを想定しています。
フローティングホームは買える?値段は?
MFCに建設されるフローティングホームは100平米以上で25万ドルから販売される予定となっています。モルディブのリゾートホテルで販売されているレジデンスと比較すると、かなり手頃な値段です。さらにMFCの住宅所有者には、モルディブの居住許可資格を得られる可能性もあります。
まとめ
モルディブは既に海面上昇や沿岸浸食の問題に直面しており、地球温暖化の最前線にある国家として、人類がどのように生き残り繁栄するかを模索しています。この取り組みをリードすることで、モルディブは自国の気候問題に対応するための基礎を築くだけでなく、他の同様の問題に直面する国や地域へのブループリントを提供できるとしています。
フローティングシティは世界初の試みとなります。とてもユニークで面白いものであるとは思いますが、このプロジェクトが今後どうなっていくのかは未知数です。モルディブの人にとって住みやすい場所になるといいなと思います。